年金とは何か
厚生年金制度の歴史

私達が常日頃、話題にしている年金には遠い歴史がありました。
年金の始まりは、「労働者年金保険法」という名称で1941年に制定された法律です。この制度は現在の厚生年金保険法の前身になっているもので、民間の事業所で働く労働者を対象にした年金保険でした。
もともとこの保険の対象者は事業所で10人以上働く男子労働者だけのもので、非対称には関係のないものでしたが、1944年の10月から「旧法厚生年金保険制度開始」という厚生年金制度が開始され、事業所で働く被保険者の対象は5人以上となり男性だけではなく女性にも拡大されるようになったのです。
昭和29年になってやっと現在に近い年金となり、被保険者の対象が5人以上でも適用なしという強制のない保険でした。
国民年金制度の歴史

一方、国民年金制度開始が開始されたのは、昭和36年4月からです。
70歳を超えている人を対象にしたもので、全額税負担の老齢福祉年金を支給する制度でした。後に国籍制限は撤廃しされ外国人も加入が出来るようになり、昭和61年4月には新法厚生年金制度の大改正により基礎年金制度が導入されました。
当時は、財政基盤が不安定だった為や、厚生年金、共済年金、国民年金制度に対する給付や負担の不満が生じており、不公平をなくす為にと導入された制度です。後に厚生年金保険の加入年齢が65歳未満になり、昭和61年4月から20歳~60歳未満の人は強制加入となり基礎年金が支給されるようになりました。
年金制度が出来た理由
もともとこの年金は、明治初期の海軍や陸軍を対象とした恩給制度でした。
軍人達への「ご恩と奉公」という意味があり、また、怪我や戦死をしても残された家族の心配はない分、頑張るようにという恩給を払う制度でした。現在でも同じく、生活全般の為のものではなく、現役時代からの蓄えや、住居などの生活基盤が整っていることが条件で、そこへ足りない部分を支給するという内容の制度なのです。
過去に起きた戦争から、このような制度になっていくというのはとても以外な話なのですが、社会保険の発展をもたらしたという事実には変わりないようです。日本での老後保障の拠点であるからこそ、現在の年金制度につながっているのです。