企業年金は大丈夫か?
企業年金とは

企業年金は、国からの支給ではなく企業が社員に支給する年金です。この年金は一つだけではなく、いくつかの種類に分かれています。
- 確定給付企業年金(規約型・基金型)
- 2企業年金の中では一番、加入者が多い年金で、規約型と基金型の2つの種類に分かれています。「規約型」は、税制適格退職年金を新しくしたようなもので、「基金型」とは、厚生年金基金の変形版のようなものです。
- 確定拠出年金
- 2001年に日本で導入された年金制度で、「401k」とも呼ばれています。この制度は、自分で運用商品を選ぶ年金制度で、毎月積み立てるお金を自らの判断で運用していく制度を言います。
- 厚生年金基金
- サラリーマンの厚生年金に上乗せして支給されるもので、企業が独自に運用して支給する企業年金。
- 税制適格退職年金
- 1962年に導入された制度です。厚生年金基金制度のように企業が独自に運用して支給する企業年金とは違い、生命保険会社や、信託銀行が受託して行われる制度ですが、平成24年3月31日で廃止となりました。
- 中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度
- 事業主の相互共済の仕組みと国の援助による退職金制度で、単独で退職金制度をもつことが困難な、中小企業の従業員や雇用の安定を図るための制度。
- 自社年金
- 独自に積み立てていく年金で、専門機関に依頼せずに、自らが管理をを行う年金です。給付までの間は企業活動資金として利用できる積立金を、規制にしばられず自由に運営ができることがメリットで、社内年金とも言われている制度です。
いつからいくらもらえるのか、条件はさまざま

企業年金という「名称だけ」で、安心している人はたくさんおられると思います。
しかし、この年金をしっかりと把握出来ているのかと言えば、大半の人がNOと答えるのではないでしょうか。例えば、企業年金額が10万円だったとした場合に、終身まで受け取ることが出来るのか?そして、定年後の10年後、または15年後などに受け取る年金なのか?これだけの違いでも、老後の生活設計に大きな差が出てしまいます。
10年間だとすれば、1200万円貰えますが、15年間だと1800万円です。これが終身だとすれば‥‥。期間が設定されているかどうか、知っておくことは将来の為でもあるのです。
年金が退職金に含まれるのか、含まれないのか
仮に、退職金が2300万円だった場合に、企業年金は退職金以外なのでしょうか?
それなら安心ですが、会社によっては、退職金の中に企業年金が含まれている場合があります。企業年金が元々ない会社であれば、一時金として全額が支払われますが、企業年金がある会社では、退職金の一部を企業年金として扱うところも存在します。
例えば、3分の一を一時金として貰い、残りを年金として受け取るケース。そして、その期間を、10年や15年の期間で選ぶ有期年金や、一生涯で受給出来る終身年金などと、企業の制度によって受け取り方を選ぶようになっているのが一般的です。
企業年金と聞けば、とてもお得なイメージがある年金ですが、勘違いや、何も知らずにいると損をしてしまうかもしれません。家族や自分の将来の為にも年金事情を確認しておくことは、とても大切なことなのです。